水鳥の宝庫琵琶湖へ。冬のバードウォッチングに出かけよう!


毎年秋が終わる頃、琵琶湖にはロシアをはじめ寒さ厳しい北国から渡り鳥たちがやってきます。その数なんと6万羽以上。1993年には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」である、ラムサール条約にも登録され、琵琶湖は全国的にも名高い渡り鳥の越冬地として知られるようになりました。そこで今回は、冬の琵琶湖で出会うことのできる水鳥やバードウォッチングスポットをご紹介します。どこから来て、どこへ飛んでゆくのか。何千kmをも旅する渡り鳥たちの壮大なドラマを感じに、冬の琵琶湖へ出かけてみませんか?


100種類以上もの水鳥が、越冬にやってくる!

野鳥ファンにはたまらない、水鳥の生息地琵琶湖。しかも、越冬にやってくる水鳥は100種類以上にものぼるのだとか。その中でもよく知られる水鳥たちをご紹介します。

 ■コハクチョウ

北極に近い夏のシベリアで生まれるコハクチョウ。琵琶湖に冬の訪れを告げる渡り鳥として地元の人に愛されています。10月中旬頃に飛来し、3月中旬まで滞在。最も多い時には、600羽以上になることも。体長はおよそ1.4m。翼を広げると2mにもなります。

 ■オオヒシクイ

ガンの仲間で、国の天然記念物、準絶滅危惧種に指定されている渡り鳥。日本へは毎年カムチャッカ半島から数千羽が飛来。コハクチョウよりも一回り小さく体重は5kgほど。全体的に褐色がかった地味な色ですが、くちばしの先の美しいオレンジが見つけるポイントです。オオヒシクイにとって琵琶湖は、南限の越冬地として貴重な場所でもあります。

 ■ユリカモメ

ユーラシア大陸の北部やイギリス、アイスランドなどから9月のはじめに飛来する、カモメの仲間です。全長約40cm。琵琶湖で一番見ることができ、人懐っこく、すぐ近くまで寄ってきます。6月頃まで琵琶湖で過ごします。

 ■マガン

ロシア極北東部のツンドラ地帯から北海道を経由して、日本各地に飛来します。琵琶湖に来る数はなんと10羽前後。見つけたらラッキーな水鳥です。マガンも国の天然記念物であり、準絶滅危惧種に指定されています。全体的に黒っぽい茶色で、全長約70cm、翼を広げると1.4mほどに。「雁行」と呼ばれる群れの隊列は、冬の風物詩といわれるほど美しい光景です。

バードウォッチングのおすすめスポット

「湖北野鳥センター」
「琵琶湖水鳥・湿地センター」

 

野鳥観察を通して、湖北の自然の豊かさやすばらしさを体験できる施設。周囲には1年中多くの野鳥が飛来し、滋賀県全体で観察された野鳥の約70%を見ることができます。

http://www.biwa.ne.jp/~nio/

 

「新旭水鳥観察センター」

滋賀県でも特に水鳥が多く生息する高島市にある、湖西の水鳥観察拠点。センター内の広いウィンドウから琵琶湖の四季と水鳥を観察できます。

https://mizudori.net/

 <まとめ>

いかがでしたか?寒さを凌ぐため、何千kmも離れた北国からやってくる水鳥たち。地図も見ずどうやって辿りつくのか、毎年無事に辿り着いた姿を見るだけで、愛好家たちは胸がいっぱいになるといいます。どこから来て、どこへ帰ってゆくのか。再会の喜びに耽る秋と、めいっぱい翼を広げ空高く飛び立つ春のお別れ。そして、人間にとってはかじかむような寒さの中過ごす、琵琶湖の冬。渡り鳥たちのロマン溢れる姿を見に、みなさんもぜひバードウォッチングに出かけてみませんか。