漫画で注目されはじめた!滋賀県のおすすめスポット


みなさんは「競技かるた」をご存知ですか?競技かるたとは、『小倉百人一首』を用いて札を取り合うスポーツのひとつです。滋賀県には、その競技かるたの聖地といわれる近江神宮があります。秋が深まっていくこれからの季節に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。今回は近江神宮と競技かるたについてご紹介したいと思います。

近江神宮ってどんなところ?

滋賀県大津市の琵琶湖西部に鎮座し、天智天皇を祀る神社。御祭神は開運や文化・産業の神様として崇敬され、競技かるたのチャンピオンを決める名人戦とクイーン戦の舞台として知られています。競技かるたを題材にした少女漫画や実写映画で注目が集まり、聖地巡礼としての観光が楽しまれています。
※聖地巡礼…漫画やアニメのファンが作品で登場した土地や建築物を聖地と呼び、訪れること。

天智天皇とは?

一般的には中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)として知られ、中臣鎌足と協力して大化の改新を行った人物です。『小倉百人一首』の第一首目の歌を詠んだことにちなんで、天智天皇が祀られる近江神宮で競技かるたが行われるようになりました。

―秋の田の仮庵(かりほ)の庵(いほ)の苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は露にぬれつつ―

天智天皇(1番)『後撰集』秋中・302

近江神宮のおすすめスポット

1. 楼門(ろうもん)
手水舎を過ぎると見えてくるパッと鮮やかな朱色の門。なんと言っても階段下から見上げる楼門はとても綺麗です。紅葉の季節になると、もみじの紅と朱塗りの門が空に映えて見事な眺めになるでしょう。

2. 時計館宝物館と漏刻(ろうこく)
時計館宝物館は近江神宮の境内にある日本で最初の時計博物館で、和時計や江戸初期の時計など約100点が常設で展示されています。また、漏刻とは天智天皇がつくった時報で水を使って時刻をはかるもので、このように珍しい時計が約3200点所蔵されています。

3. 近江勧学館
境内を北の奥へ進むと見える、競技かるたの大会が開催される会場です。こちらでは名人戦とクイーン戦のほかに、高等学校選手権大会や全国競技かるた大会も行われます。近江神宮を訪れた際にはぜひこちらにも足を運ばれるとよいでしょう。

競技かるたとは?

自分の陣地の札を減らして相手より早くゼロにした方が勝利するという競技で、100枚の札のなかからランダムに選ばれた50枚と、歌を詠みあげる読手用の100枚の札を使います。札を25枚ずつで分け、それぞれの陣地に並べて暗記をしたあと、試合開始となります。あとは読手が詠みあげる歌に対応する札を取る、というものです。

小学生から高齢者まで幅広く行われている競技で、一瞬で札を払う瞬発力や札の上の句と下の句を覚える記憶力、1時間から1時間半の試合に耐えられる精神力が必要とされ、かるた遊びのイメージからはかけ離れた激しいスポーツの一面を持っているのです。

個人戦と団体戦

競技形態は個人戦と団体戦があり、個人戦は1対1でトーナメント方式の試合が進められますが、団体戦では5組同時に試合を行って、3勝した方が勝ちとなります。基本ルールは変わりませんが、チーム一丸となって優勝を目指す団体戦も、一人で戦う個人戦もどちらも見ごたえのある試合です。ちなみに個人戦の優勝者は男性が名人、女性はクイーンと呼ばれます。

まとめ

いかがでしたか?小倉百人一首と近江神宮はとても縁が深く、趣を感じさせてくれます。大阪や京都から気軽に足を運べるレジャースポットとして、滋賀はとてもおすすめです。秋が深まって紅葉を楽しめるこれからの季節に、ぜひ歌人の心や歌に想いを馳せながら滋賀の風景を楽しまれてはいかがでしょうか。