働き方改革って何?派遣社員との関わりは?


今年、働き方改革関連法が成立しました。働くすべての人に関係のあるものですが、そもそも働き方改革って何?難しくてよくわからない、という人もいるのではないでしょうか?今回は働き方改革についての概要と、派遣社員との関わりについて簡単にご紹介したいと思います。

働き方改革とは

一億総活躍社会という言葉を聞いたことがありますか?日本は今少子高齢化が進んでいます。このままいくと今後ますます総人口に対する高齢者の割合が増え、働き手が不足していく事態になりかねません。
そこで政府が目指すのが一億総活躍社会です。1人1人が家庭で、地域で、職場で、それぞれが生きがいを感じることができる社会と定義されています。働き方改革とはそれを実現するための策なのです。

最近過労死の問題や職場でのメンタルケアの重要性などが注目されていますが、日本が一億総活躍するには仕事が大きな障壁になっていることが多くあります。
そのため、多様な働き方ができるようにし、労働者間の格差を取り払い、働く人の立場でより良い社会にしていくというのが働き方改革なのです。

そのうちのいくつかの施策をご紹介します。

・長時間労働の是正

世界的に日本人はまじめで長時間よく働くというイメージを持たれているようです。実際に日本では多くの労働者が長時間労働をしていて、それによって過労死や精神的な病を発症する例が多くあります。その上、長時間労働は出生率の低下につながっているともいわれています。
そこで働き方改革関連法案のひとつは長時間労働の是正すること。残業時間に上限を設ける、健康的で働きやすい職場へと環境を整備する、などがあげられます。

・正社員と非正規の格差をなくす

働き方改革関連法案の中のひとつに「同一労働同一賃金」があります。これは正社員か非正規かに関わらず、同じ仕事をしている人であれば同じ賃金を支払うというもの。仕事内容が同じならばアルバイトでも派遣社員でも正社員と同じ賃金をもらえるようになるというものです。

・高齢者の就業を促進

少子高齢化で不足する働き手。しかし高齢であってもまだまだ働きたいと思っている方もたくさんいます。そのため、定年の年齢を引き上げる、高齢者が働ける場所を増やすなど高齢になっても働くことができる環境づくりをしようと試みています。

派遣社員との関わりは?

働き方改革関連法案の中からいくつかをピックアップしてご紹介しました。派遣社員に最も影響を与えるのは先にもあげた「同一労働同一賃金」です。働き方改革にともなう労働者派遣法の改正案では、派遣社員と派遣先で働いている人との格差をなくすことを目指した改正が行なわれます。

1、派遣先企業で同様の仕事をする正社員と均等待遇、均衡待遇を図る

派遣先で正社員と同じ働き方をしている場合、賃金などの労働条件を同じにしたり、働き方が違う場合でも違いに応じてバランスのとれた待遇にするというものです。
現状、非正規である派遣社員は正社員より賃金が低い場合が大半だと思います。しかし仕事内容が同じであれば賃金も同じになるということなので、とても希望が持てる話ですね。

しかし、それだと派遣先が変わるごとに待遇がよくなったり悪くなったりすることにもなりかねません。

2、派遣会社が派遣社員の待遇を決める

そこで、派遣社員の待遇を派遣会社が決めることができるという方式も採用されています。派遣会社と派遣社員の間で労使協定というある種の約束のようなものを交わせば、派遣社員の待遇を派遣会社が決めることができるというものです。

この場合、派遣先企業の正社員との格差を縮める必要がないため、派遣社員の待遇は結局よくならないのではと思われがちです。しかし派遣社員の賃金は厚生労働省が定める賃金基準と同等以上のものであることとする、としていますので、こちらの場合も派遣社員の待遇はよくなることが期待されます。

 

派遣先の正社員に合わせて均等・均衡待遇を図るのか、派遣会社が待遇を決めるのか、どちらにするかは派遣会社が選択することになります。いずれにしろ働き方改革によって派遣社員の待遇がよくなっていくことが期待できると思います。

まとめ

いかがでしたか?働き方改革はニュースなどで見聞きすると難しそうに感じますが、働くすべての人たちに大きな関わりのあることです。きちんと注目し、理解しておきましょう。

派遣社員と特に関係のある「同一労働同一賃金」は大企業では2020年4月、中小企業では2021年4月から導入される見込みです。働き方改革によって誰もが働きやすい社会になっていくと考えられますが、自分のこれからの働き方はどうなるのか?とふと気になることもあるかもしれません。そんなときはエースコーポレーションへ。今のこと、これからのこと、ぜひお気軽にご相談ください。